Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/25 21:39 最終更新 2024/09/25 21:43 rails 7.2への移行におけるアイコン画像 bin/rails app:updateコマンドを実行すると以下の2つのアイコン画像ファイルがpublic/に作成されますが、 これら2つのファイルは、rails newで生成される新規railsアプリ用のファイルであるため、既存アプリでは単純に削除してしまい、 従来通りのアイコン画像とアイコン設定(faviconやapple-touch-icon)を用いれば大丈夫です。 (もちろん、既存アプリにおいてアイコン設定が適切に行われている場合の話です。) icon.png icon.svg ちなみに、以下の通りrails 7.2では、新規アプリのアイコン設定が大幅に更新されています。 rails 7.2のこの新たなアイコン設定は、既存アプリにおいてもアイコン設定を見直す際に役立つかもしません。 (参考)rails 7.2.1の新規アプリのアイコン設定 以下が、新規アプリ用のテンプレートファイルからコピーしたrails 7.2.1の新規アプリのアイコン設定です。 <link rel="manifest" href="/manifest.json"> <link rel="icon" href="/icon.png" type="image/png"> <link rel="icon" href="/icon.svg" type="image/svg+xml"> <link rel="apple-touch-icon" href="/icon.png"> 新たなアイコン画像ファイルによるアイコン設定に関与しているプルリクエストは、 PR #50526と PR #50629です。 3つのアイコン画像ファイル(apple-touch-icon-precomposed.png、apple-touch-icon.png、favicon.ico)が削除され、 2つのアイコン画像ファイル(icon.png、icon.svg)が追加されています。 また、manifestに関しては、PWAに関する新機能に関連して導入されています。
Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/25 12:54 最終更新 2024/09/25 13:02 rails 7.2ではassertionがないテストに対して警告が出るようになった現象 rails 7.2では、Minitestを使ったテストに関して、assert系メソッドが1つも呼ばれないテストがあると"Test is missing assertions"という警告が出るようになりました。 警告が出ないようにする方法 各テストでassert系メソッドが最低1回は実際に呼ばれるようにして下さい。 例外が起きないことを確認するテストではassert_nothing_raisedメソッドを用いて下さい。 なお、警告の回避方法を含め、こちらの記事が参考になるかもしれません。 関連するプルリクエストとコミット この機能はPR #51625で導入され、このときはrailsアプリの設定によって挙動を変えられるようになっていました。 その後、commit 6a6c7e6によって機能が単純化され、単に常に警告が出力されるだけになりました。 その後、PR #51693で関係するコードを綺麗にする作業などが行われています。
Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/25 09:56 最終更新 2024/09/25 09:58 rails 7.2で追加されたブラウザバージョン指定機能と406-unsupported-browser.html bin/rails app:updateコマンドを実行するとpublic/に406-unsupported-browser.html作成されます。 このHTMLフィアルは、rails 7.2で追加されたブラウザバージョン指定機能が指定範囲外のブラウザに対して送るファイルです。 なお、既存アプリでは、この機能の利用を始めないのであれば、念のため406-unsupported-browser.htmlを置くだけ置いておくという対応で良いように思います。
Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/25 07:51 最終更新 2024/09/25 09:56 rails 7.2への移行におけるActive Storageのmigration bin/rails app:updateコマンドを実行すると以下の3つのファイルがdb/migrate/に作成されることがありますが、 Active Storageをまだ使用したことがないアプリケーションでは、 これら3つのファイルは単純に削除してしまっても良いはずです。 xxx_add_service_name_to_active_storage_blobs.active_storage.rb xxx_create_active_storage_variant_records.active_storage.rb xxx_remove_not_null_on_active_storage_blobs_checksum.active_storage.rb より正確に言うと、データベースにactive_storage_blobsテーブルが存在していない場合は、 これら3つのファイルは単純に削除してしまっても良いはずです。 その理由として、これら3つのファイルはデータベースのactive_storage_blobsテーブルに対して影響を与えるものであり、 table_exists?(:active_storage_blobs)がfalseを返すと何もせずにreturnする処理が3つのファイル全てに記述されているからです。 ご自身のRailsアプリケーションのデータベースにactive_storage_blobsテーブルが存在するかの確認はbin/rails consoleを実行して、 以下のようにコマンドを実行することで行えます。 結果がfalseであればactive_storage_blobsテーブルは存在していない、つまり前述の3つのファイルは削除で大丈夫のはずです。 foobar(dev)> ActiveRecord::Base.connection.table_exists? :active_storage_blobs => false ちなみに、データベースにあるテーブルの一覧を見たい場合にはbin/rails consoleで ActiveRecord::Base.connection.tablesを叩くことでテーブルの一覧を確認できます。
Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/24 20:00 最終更新 2024/09/26 19:50 rails 7.2でのconfig/puma.rbの大幅な更新 rails newで生成されるconfig/puma.rbが大幅に更新されました。 v7.1.4のpuma.rb.tt v7.2.1のpuma.rb.tt 主要な変更点は以下の通りです。 threadsの指定方法の変更: リリースノート:Pumaのデフォルトのスレッド数が新しくなった、PR #50450 、PR #50669 pidfileの変更: PR #50644、PR #50669、commit 57a6916 environmentの削除: PR #52541 production環境でのworkersの削除: commit 142e6ab production環境でのpreload_app!の削除: PR #52541 development環境でのworker_timeoutの削除: PR #52541
Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/24 08:40 最終更新 2024/09/24 08:41 rails 7.2ではfilter_parametersに:emailが追加された rails newで生成されるconfig/initializers/filter_parameter_logging.rbにおいて、 rails 7.2でconfig.filter_parametersに:emailが追加されました。 この追加に関するプルリクエストはこちらです。 Rails.application.config.filter_parameters += [ - :passw, :secret, :token, :_key, :crypt, :salt, :certificate, :otp, :ssn + :passw, :email, :secret, :token, :_key, :crypt, :salt, :certificate, :otp, :ssn ] セキュリティや個人情報保護の観点からは、確かにメールアドレスをフィルタすることは適切であるように思いますので、既存アプリにおいても:emailを追加すると良さそうです。 ちなみに、デバッグ作業などでメールアドレスを確認するときには少し不便になるような気もしますが、 emailへの直接の読み書きが疎外されるわけではありませんし、 またpluckなどの活用もすればデバッグの支障にはさほどならないような気がします。
Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/23 20:59 最終更新 2024/09/23 21:03 rails 7.2におけるpublic_file_server.enabled rails newで生成されるconfig/environments/test.rbにおいて、 7.1以前は以下の設定用コードが存在していましたが、 このプルリクエストのマージによって削除されました。 config.public_file_server.enabled = true 削除された理由は、このプルリクエストによると、default値がtrue、かつ、全てのenvironment(test、development、production)の間で設定値に違いが無いということからです。 ですので、既存アプリにおいても、設定値をtrueとしている場合には、この設定用コードは削除してしまっても良いかもしれません。
Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/23 19:43 最終更新 2024/09/23 19:45 rails 7.2におけるannotate_rendered_view_with_filenames annotate_rendered_view_with_filenamesは、rails 6.1で追加されたビューのテンプレートの開始と終了に対応するHTMLコメントを挿入する機能です。 rails newで生成されるconfig/environments/development.rbにおいて、 7.1以前はこの機能を有効化する以下のコードがコメントアウトされていましたが、 7.2からは以下のように有効になるコードになりました(この変更のPR)。 ちなみに、default値は7.1以前から変わらずfalseですので、 development.rb内の当該設定を意図的に変更しなければ、既存アプリの挙動が勝手に変わることはありません。 config.action_view.annotate_rendered_view_with_filenames = true 確かにdevelopment環境において便利そうな機能ですので、7.2へのアップデートを機に、使い始めてみるのも良いかもしれません。
Home Software Libraries Ruby rails rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業 @wakairo 2024/09/23 17:06 最終更新 2024/09/27 16:42 基本的にはRailsガイドの手順に従えば良いと思います。 ガイドの手順にもありますが、ぜひbin/rails app:updateコマンドを活用しましょう。 rails 7.2への移行で対応が必要そうな個別の作業について、以下のコメントでそれぞれ取り上げますので、ご参考になれば幸いです。
Home Software Libraries Ruby rails railsが挿入するfield_with_errorsの要素がBootstrapのinput-groupの表示を乱す問題 @wakairo 2024/09/18 20:23 最終更新 2024/09/18 20:25 問題の内容 フォームヘルパーで作成したフォームの標準の挙動として、 railsは、バリデーション・エラーが起きたフォーム要素を、field_with_errorsクラスを指定したdiv要素で囲みます。 つまり、バリデーション・エラーの有無によって、HTMLの階層構造が変わってしまいます。 その一方で、BootstrapのInput groupは、input-groupクラスを指定した要素の直接の子要素としてフォーム要素があることを前提としています。 そのためバリデーション・エラー時に、input-groupを指定した要素とフォーム要素の間にfield_with_errorsクラスのdiv要素が割り込むことで、Input groupの表示を乱してしまいます。 この問題に対し、インターネット上の情報では、 display: contents;を利用する方法や config.action_view.field_error_procの設定を変更する方法が紹介されていましたが、 私が試した限りでは問題の解決に至りませんでした。 そこで以下では、Input groupの利用を諦めて、Input groupに似た表示を他のBootstrapの機能で実現する方法をご紹介します。 なお、この問題に関して別の何か良い方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、コメントをいただけると嬉しいです。 Bootstrapにおいて、Input groupに似た表示をgridで作成する方法 例として、Input groupを利用した以下のフォームの一部分を考えます。 <div class="input-group"> <span class="input-group-text">@</span> <%= f.text_field :username, class: 'form-control' %> </div> このフォームの一部分に近い表示を実現する例が以下のコードです。Input groupを利用した表示と比べると、「@」を囲む枠線は無くなりますが、文字やフォームの位置関係は近いものを実現できます。なお、ブラウザの画面幅をいろいろと変えた場合でも、位置関係の近さは大丈夫なはずです。 <div class="row gx-1"> <div class="col-auto col-form-label">@</div> <div class="col"> <%= f.text_field :username, class: 'form-control' %> </div> </div> このコードで利用しているBootstrapのクラスについて少し解説します。 まず横幅のバランスに関しては、以下のクラスを利用しています。 col-auto:内容の幅、つまり、上述のコードではフォームの左にある文字列である「@」の幅に基づいたカラムの幅になります。 col:残っている幅を均等に割り付けた幅になります。例えばcolクラスのカラムが2つあれば残りの幅が2分割されて均等に割り付けられます。上述のコードではcolクラスのカラムは1つですので、左にある「@」のカラムの幅を除いた残りの幅が全てこのtext_fieldのカラムに割り付けられます。 次に文字の位置(この例では「@」の位置)は、以下のクラスで調整しています col-form-label:指定することでフォームと上下位置をそろえられます。 gx-*:ガターを調整することで「@」とフォームの間の距離を調整し左右位置を調整しています。なお、左右位置を細かく調整したい場合にはmarginで直接細かく指定しても良いかもしれません。 (参考)Input groupに似せることよりもgridのカラム幅の指定を優先する場合 グリッドにおいて要素間の左右位置をそろえたいとき等では、col-autoを使わずに、以下のコードのようにカラム幅を指定する方法もあります。 このような場合では、文字列の左右位置の調整にtext-endクラスやtext-centerクラスが役立つかもしれません。 <div class="row gx-1"> <div class="col-2 col-form-label text-end">@</div> <div class="col-10"> <%= f.text_field :username, class: 'form-control' %> </div> </div> コードの動作確認をしたgemのバージョン rails (7.1.3.4) bootstrap (5.3.3)
rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
rails 7.2への移行におけるアイコン画像
bin/rails app:update
コマンドを実行すると以下の2つのアイコン画像ファイルがpublic/
に作成されますが、これら2つのファイルは、
rails new
で生成される新規railsアプリ用のファイルであるため、既存アプリでは単純に削除してしまい、 従来通りのアイコン画像とアイコン設定(faviconやapple-touch-icon)を用いれば大丈夫です。 (もちろん、既存アプリにおいてアイコン設定が適切に行われている場合の話です。)ちなみに、以下の通りrails 7.2では、新規アプリのアイコン設定が大幅に更新されています。 rails 7.2のこの新たなアイコン設定は、既存アプリにおいてもアイコン設定を見直す際に役立つかもしません。
(参考)rails 7.2.1の新規アプリのアイコン設定
以下が、新規アプリ用のテンプレートファイルからコピーしたrails 7.2.1の新規アプリのアイコン設定です。
新たなアイコン画像ファイルによるアイコン設定に関与しているプルリクエストは、 PR #50526と PR #50629です。 3つのアイコン画像ファイル(apple-touch-icon-precomposed.png、apple-touch-icon.png、favicon.ico)が削除され、 2つのアイコン画像ファイル(icon.png、icon.svg)が追加されています。 また、manifestに関しては、PWAに関する新機能に関連して導入されています。
rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
rails 7.2ではassertionがないテストに対して警告が出るようになった
現象
rails 7.2では、Minitestを使ったテストに関して、assert系メソッドが1つも呼ばれないテストがあると"Test is missing assertions"という警告が出るようになりました。
警告が出ないようにする方法
各テストでassert系メソッドが最低1回は実際に呼ばれるようにして下さい。 例外が起きないことを確認するテストでは
assert_nothing_raised
メソッドを用いて下さい。 なお、警告の回避方法を含め、こちらの記事が参考になるかもしれません。関連するプルリクエストとコミット
この機能はPR #51625で導入され、このときはrailsアプリの設定によって挙動を変えられるようになっていました。 その後、commit 6a6c7e6によって機能が単純化され、単に常に警告が出力されるだけになりました。 その後、PR #51693で関係するコードを綺麗にする作業などが行われています。
rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
rails 7.2で追加されたブラウザバージョン指定機能と406-unsupported-browser.html
bin/rails app:update
コマンドを実行するとpublic/に406-unsupported-browser.html作成されます。 このHTMLフィアルは、rails 7.2で追加されたブラウザバージョン指定機能が指定範囲外のブラウザに対して送るファイルです。なお、既存アプリでは、この機能の利用を始めないのであれば、念のため406-unsupported-browser.htmlを置くだけ置いておくという対応で良いように思います。
rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
rails 7.2への移行におけるActive Storageのmigration
bin/rails app:update
コマンドを実行すると以下の3つのファイルがdb/migrate/
に作成されることがありますが、Active Storageをまだ使用したことがないアプリケーションでは、 これら3つのファイルは単純に削除してしまっても良いはずです。
より正確に言うと、データベースにactive_storage_blobsテーブルが存在していない場合は、 これら3つのファイルは単純に削除してしまっても良いはずです。 その理由として、これら3つのファイルはデータベースのactive_storage_blobsテーブルに対して影響を与えるものであり、
table_exists?(:active_storage_blobs)
がfalseを返すと何もせずにreturnする処理が3つのファイル全てに記述されているからです。ご自身のRailsアプリケーションのデータベースにactive_storage_blobsテーブルが存在するかの確認は
bin/rails console
を実行して、 以下のようにコマンドを実行することで行えます。 結果がfalse
であればactive_storage_blobsテーブルは存在していない、つまり前述の3つのファイルは削除で大丈夫のはずです。ちなみに、データベースにあるテーブルの一覧を見たい場合には
bin/rails console
でActiveRecord::Base.connection.tables
を叩くことでテーブルの一覧を確認できます。rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
rails 7.2でのconfig/puma.rbの大幅な更新
rails new
で生成されるconfig/puma.rbが大幅に更新されました。主要な変更点は以下の通りです。
threads
の指定方法の変更: リリースノート:Pumaのデフォルトのスレッド数が新しくなった、PR #50450 、PR #50669pidfile
の変更: PR #50644、PR #50669、commit 57a6916environment
の削除: PR #52541workers
の削除: commit 142e6abpreload_app!
の削除: PR #52541worker_timeout
の削除: PR #52541rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
rails 7.2ではfilter_parametersに:emailが追加された
rails new
で生成されるconfig/initializers/filter_parameter_logging.rbにおいて、 rails 7.2でconfig.filter_parametersに:email
が追加されました。 この追加に関するプルリクエストはこちらです。セキュリティや個人情報保護の観点からは、確かにメールアドレスをフィルタすることは適切であるように思いますので、既存アプリにおいても:emailを追加すると良さそうです。
ちなみに、デバッグ作業などでメールアドレスを確認するときには少し不便になるような気もしますが、 emailへの直接の読み書きが疎外されるわけではありませんし、 またpluckなどの活用もすればデバッグの支障にはさほどならないような気がします。
rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
rails 7.2におけるpublic_file_server.enabled
rails new
で生成されるconfig/environments/test.rbにおいて、 7.1以前は以下の設定用コードが存在していましたが、 このプルリクエストのマージによって削除されました。削除された理由は、このプルリクエストによると、default値がtrue、かつ、全てのenvironment(test、development、production)の間で設定値に違いが無いということからです。 ですので、既存アプリにおいても、設定値を
true
としている場合には、この設定用コードは削除してしまっても良いかもしれません。rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
rails 7.2におけるannotate_rendered_view_with_filenames
annotate_rendered_view_with_filenamesは、rails 6.1で追加されたビューのテンプレートの開始と終了に対応するHTMLコメントを挿入する機能です。
rails new
で生成されるconfig/environments/development.rbにおいて、 7.1以前はこの機能を有効化する以下のコードがコメントアウトされていましたが、 7.2からは以下のように有効になるコードになりました(この変更のPR)。 ちなみに、default値は7.1以前から変わらずfalseですので、 development.rb内の当該設定を意図的に変更しなければ、既存アプリの挙動が勝手に変わることはありません。確かにdevelopment環境において便利そうな機能ですので、7.2へのアップデートを機に、使い始めてみるのも良いかもしれません。
rails 7.1からrails 7.2への移行(アップデート、アップグレード)で必要な作業
基本的にはRailsガイドの手順に従えば良いと思います。
ガイドの手順にもありますが、ぜひ
bin/rails app:update
コマンドを活用しましょう。rails 7.2への移行で対応が必要そうな個別の作業について、以下のコメントでそれぞれ取り上げますので、ご参考になれば幸いです。
railsが挿入するfield_with_errorsの要素がBootstrapのinput-groupの表示を乱す問題
問題の内容
フォームヘルパーで作成したフォームの標準の挙動として、 railsは、バリデーション・エラーが起きたフォーム要素を、
field_with_errors
クラスを指定したdiv要素で囲みます。 つまり、バリデーション・エラーの有無によって、HTMLの階層構造が変わってしまいます。その一方で、BootstrapのInput groupは、
input-group
クラスを指定した要素の直接の子要素としてフォーム要素があることを前提としています。 そのためバリデーション・エラー時に、input-group
を指定した要素とフォーム要素の間にfield_with_errors
クラスのdiv要素が割り込むことで、Input groupの表示を乱してしまいます。この問題に対し、インターネット上の情報では、
display: contents;
を利用する方法やconfig.action_view.field_error_proc
の設定を変更する方法が紹介されていましたが、 私が試した限りでは問題の解決に至りませんでした。そこで以下では、Input groupの利用を諦めて、Input groupに似た表示を他のBootstrapの機能で実現する方法をご紹介します。
なお、この問題に関して別の何か良い方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、コメントをいただけると嬉しいです。
Bootstrapにおいて、Input groupに似た表示をgridで作成する方法
例として、Input groupを利用した以下のフォームの一部分を考えます。
このフォームの一部分に近い表示を実現する例が以下のコードです。Input groupを利用した表示と比べると、「@」を囲む枠線は無くなりますが、文字やフォームの位置関係は近いものを実現できます。なお、ブラウザの画面幅をいろいろと変えた場合でも、位置関係の近さは大丈夫なはずです。
このコードで利用しているBootstrapのクラスについて少し解説します。
まず横幅のバランスに関しては、以下のクラスを利用しています。
col-auto
:内容の幅、つまり、上述のコードではフォームの左にある文字列である「@」の幅に基づいたカラムの幅になります。col
:残っている幅を均等に割り付けた幅になります。例えばcol
クラスのカラムが2つあれば残りの幅が2分割されて均等に割り付けられます。上述のコードではcol
クラスのカラムは1つですので、左にある「@」のカラムの幅を除いた残りの幅が全てこのtext_field
のカラムに割り付けられます。次に文字の位置(この例では「@」の位置)は、以下のクラスで調整しています
col-form-label
:指定することでフォームと上下位置をそろえられます。gx-*
:ガターを調整することで「@」とフォームの間の距離を調整し左右位置を調整しています。なお、左右位置を細かく調整したい場合にはmarginで直接細かく指定しても良いかもしれません。(参考)Input groupに似せることよりもgridのカラム幅の指定を優先する場合
グリッドにおいて要素間の左右位置をそろえたいとき等では、
col-auto
を使わずに、以下のコードのようにカラム幅を指定する方法もあります。 このような場合では、文字列の左右位置の調整にtext-end
クラスやtext-center
クラスが役立つかもしれません。コードの動作確認をしたgemのバージョン